中古漁船を被災地へ送るプロジェクトが進行中
東日本大震災では、漁業が大きな被害を被りました。被災地の漁業を再建するには、なによりもまず漁船を確保することが重要です。
日本全国には何万隻の使われていない漁船があるという話があります。それを被災地に贈る、または貸すことができれば、被災地の漁師の皆さんは大いに助かります。
そういう支援プロジェクトが全国漁業協同組合連合会(全漁連)や三重水産協議会の手で進められています。非常に希望が持てるプロジェクトです。
以下、新聞報道の抜粋です。
<伊勢新聞より>
東日本大震災で被災した漁業支援のため、県漁連など水産関係六団体と各漁協でつくる「三重水産協議会」(会長・永富洋一県漁連会長)は十九日、中古漁船を被災地に送るプロジェクトを発足した。企業とも連携し、被災地で採れた海産物の流通も図る。同日、津市広明町の県水産会館で記者会見した永富会長は、「完全復興まで継続的に支援を行いたい」と決意を述べた。
永富会長らによると、県内で登録されている漁船は約一万四千隻。このうち、中古の小型漁船八隻を第一陣として、来週中に宮城県石巻市に送る予定という。永富会長は、県と被災県は漁業の関わりが深いと話し、「被災地の復興は県内漁業の復興につながる。今後もより早く、より多く(漁船を)送りたい」と意欲を示した。
会見にはIT企業「ミツイワ」の羅本礼二常務も出席し、民間企業で立ち上げた漁業支援事業について説明した。同事業では、県内で準備した漁船を被災地の漁師に提供。インターネットを使って現地の海産物を流通させ、被災した漁業者らが収入を得られる仕組みをつくるという。県漁連も協賛している。
同協議会はこれまで、被災地に食料や水を送ったほか、義援金を集めるなどの支援を実施してきた。被災地を訪れたという永富会長は、「あの現状を見ると、一刻も早くしなければ、という思いになった」と話した。
<共同通信より>
全国漁業協同組合連合会(全漁連)が、東日本大震災で被災した岩手、宮城両県の漁業者に対し、他の地域で使われなくなった中古漁船の仲介に乗り出した。5月30日時点で計445隻を確保、秋に始まるサケの定置網漁業など、早期の漁再開に向けて後押しする考えだ。
全漁連では、岩手県漁業協同組合連合会と宮城県漁業協同組合に、確保した漁船の一覧表を提供。その後の具体的なやりとりは地域漁協など現場で調整してもらう。
農林水産省は2011年度第1次補正予算で、新たに5トン超の中大型漁船の新規造船や中古漁船取得などを後押しするための費用として約198億円を計上
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