第4章 今の生活の楽しみ

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下記にテープ起こし原稿を掲載します。話の中で省略された言葉を多少補足してあります。

2.海外旅行

ニューヨークで展覧会をするために、わざわざサンフランシスコからユタ、ネバダ、コロラド、アリゾナという大砂漠、大草原を散策してからニューヨークに入りました。アリゾナのモニュメントバレーとかグランドキャニオンとか、ああいう雄大なところに行って、心を豊かにしてきた。ニューヨークのような大都会はあまり好きではなくて、田舎のひなびたところが好きなんですね。
サンフランシスコからユタ、ネバダ、コロラド、アリゾナを4日間旅行しました。アリゾナのセドナという雄大な岩のあるところを見てから、飛行機でニューヨークに入って展覧会を開きました。
グランドキャニオンはもう7、8回行ったから行きたくなかったけど、皆さんと「こういうことをするから来ませんか」と必ず呼びかけます。自分一人で行かないで、何十人かお客さんと行く。じゃあ行きましょうということで、今年も30人くらい来てくれました。
15年前、ハンガリーで展覧会やったときも、開会式に来てくれと言われたときも、家内と二人だけじゃ面白くない。プランを立てて、日本の方に「こういうことをしますから来てくださいませんか」と呼びかけたら、280人の方が来てくださいました。それでハンガリー航空を福岡空港にチャーターしました。
280人中、女性が180人でしたので、着物を持っててくださいとお願いし、ブタペストの都を開会式のときに、みんな着物を着て颯爽としました。我々は焼き物の伝統文化の紹介だけではなくて、日本の伝統衣裳も海外に紹介しようと思ってですね。
それまで着物を着たことがないご婦人の方も、外国で着た衣裳というものは自分で高揚しますからね。面倒くさいけど、着てもらってよ喜びを味わってもらう。

Q 先生はそういうところでもアイデアマンですね。

井上萬二
そういうことが好きなんですよ。その2年後にはモナコでやって、そのときも250人着てくれました。それからポルトガルでやって、この間はポーランドでやって、そのときも何十人か着てくれました。
私が、こことここに行くからとプランを立てました。旅行会社を使ったらプラスアルファで料金が高いから。航空会社に実費で交渉しました。

Q 先生がそんなところまで手配されるんですか。

井上萬二
トラベル会社作って、300人来てくださったら、一人1万円としても300万円儲かるけど、反対にお金がいるくらいです(笑い)。楽しいです。プランを練るのが楽しいです。
航空会社に行って、福岡空港から成田まで1万円にしてくれと言いました。1万円ですよ、往復。3年目に行ったときは、自分が直接航空会社に行って、福岡から成田まで1万円、成田からサンフランシスコまで往復7万にしてもらった。
サンフランシスコからニューメキシコ州にある大学まで行くときに、往復8万円かかるのを7万にして、これで旅費を15万にした。そして1週間ホテルに泊まって14万。トータル30万円。
向こうでバスを1台貸しきりました。大学に言ったら、1週間千ドルでいいと言うんです。どうしてそんなに安いのかと聞くと、バスはレンタル、運転は学生がするというんです。学生では危ないと言うと、彼らはスクールバスでアルバイトをたくさんしているから大丈夫と言う。もしも日本から行った人に事故でもあったら大変だということで、ちゃんとした自動車会社に頼みました。そして、アメリカ大陸を、飛行機では面白くないからバスで、ルート66なんかも横断しました。楽しいですよ。
バスでは1台30人に限定するんです。60人乗りだったら、1人2席にする。荷物を隣の席に置いて、みんな窓際で風景を見られるようにしました。私は通路側で風景が見られなかったと文句を言われると困るから、みんな窓際に座ってもらいました。それで通路側の席には、自分の荷物を置いてもらい、30名で行ったわけです。楽しいですよ。
私はツアーで付いて行きたくない。自分が旗を持って先頭に行かないとおもしろくないんです。

Q 向こうで会う方々も一流の方々ですよね。

井上萬二
ニューメキシコの大学には、もう16回くらい教えに行きましたから、学生や教員たちが空港で待っている。自分たちの車にお客さんを乗せてくれ、レストランに連れて行ったり、いろいろしてくれました。

そのためには、やっぱり自分が血を流しておかないと、そういうことをしてくれません。