上ノ山 明彦

大江戸生活事情 (講談社文庫)』  石川英輔


 図書館で鎌倉時代の文献を探していたら、江戸時代の人々の生活事情を考証した本が目に付きました。読み始めたらこれがおもしろい。時代考証の参考にもなります。さっそく書店で購入し、今手元に置いています。
 その本とは、『大江戸生活事情 (講談社文庫) 』、石川英輔著、講談社文庫です。
 江戸時代の生活といえば、どうしても映画やテレビの時代劇のイメージに左右されてしまいます。
 また学校の教科書で習った江戸時代=封建時代=貧しく苦しい時代=悪というイメージが浮かんでしまいます。
 では、実際はどうだったのでしょうか?それを歴史的資料や風俗図会で詳しく分析し、庶民生活の実態を紹介した本が、この本です。
 例えば、江戸の犯罪率は極端に低くて、泥棒1人を牢屋に入れるにも、遠山の金さんのような北町奉行が直接出てきて裁きを行わないとできなかったそうです。
 現代なら警察署長が出てきて一人ひとりを裁くようなもので、そんなことしていたら人数が多すぎてとても裁ききれるものではありません。江戸時代は奉行が一人ひとりを裁けるくらい犯罪率が低かったのです。
 また、江戸の庶民の生活は、一般的な想像に反して自由で伸び伸びとしていた面がありました。本書では江戸の庶民の生活の意外な面をいろいろ私たちに教えてくれます。
 時代考証という側面からは、当時の衣食住、職業、生活費、生活道具、建物、習慣などが詳しく紹介されています。
 このほかにもシリーズで大江戸事情を紹介した本が出ていますので、江戸時代のことを知りたい方にはきっと参考になるでしょう。