「江戸明治東京重ね地図」
「江戸明治東京重ね地図」というすごいソフトがあることを、ほんの一ヶ月前に知った。エーピーピーという会社が制作し、丸善から発売されている。「こんなソフトがほしかった」と衝撃を受けた私は、思わず購入してしまった。前身の「江戸東京重ね地図」が2001年7月の発売。これが2004年7月の発売。価格は\189,00(税込み)。私は約3年もその存在を知らなかったのだから、ちょっと恥ずかしかった。
では何がすごいか?これまで印刷物で、江戸時代の切り絵図に現代の地図を重ねて見ることができる地図が発行されていることは読者の皆さんもご存じだろう。
このソフトはパソコン上で江戸の切り絵図に、明治時代の東京地図、平成時代の東京地図を重ねて見ることができる。それだけではない。パソコンを使うだけに、検索機能がすごい。なんと5万件の検索データを保有しているのである。パッケージには検索用に2冊の本も付いているので、辞典のように引くこともできる。
例えば「小さな藩の上屋敷があった場所を知りたい」というとき、「大名屋敷」のカテゴリーで「○○藩」とキーワードを入力すると、たちまちその上屋敷、下屋敷の所在地が表示される。見たい項目をクリックすると、江戸時代の所在地を地図上で指し示してくれる。現代地図に切り替えると、現在の住所に対応する場所を指し示してくれるのである。そこに印を付け、いつでも参照することができるようにすることもできる。
大名屋敷以外にも町名、河川名、寺社名、幕府の施設名などでも検索できる。小説の中に出てきた町名や川などの名前はいったいどこにあるだろうと、手で切り絵図を調べ、現代地図を照合する手間はいらない。あっという間にパソコンが検索して指し示してくれるのである。
地図自体も縮尺の変更が自由自在だ。地図の印刷もできる。
時代小説を書こうという立場からすると、できるだけ調べる時間を短縮し、書くことに集中したいものである。かといって間違ったことを書くわけにはいかない。このソフトはそういう助けになることは間違いない。
江戸の町の検索はこのソフトに任せておいて、私は今、江戸の町を感覚的に知ることができるような仕組みを作ろうとしている。それはもの書き塾の「時代小説コース」で披露するつもりである。
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