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タイトル |
佐賀のがばいばあちゃん |
著者 |
島田 洋七 |
発行年月 |
2004年1月 |
出版社、定価 |
徳間書店 540円 |
キーワード |
エッセイ, 自伝, 貧乏生活, 元気, 愛情, やる気, やさしさ, おばあちゃん |
皆さんはすでに読まれたかもしれませんが、私はようやく、『佐賀のがばいばあちゃん』(島田洋七著、徳間文庫)を読み終わりました。いつもはベストセラーになった本は、あまり読む気にならないからです。ベストセラーは中身より、話題性のような別の要素で売れる場合が多いのがいやで敬遠しがちなのです。
しかし、この本は文句なしにおもしろくて、考えさせられる本です。別の稿で自分史の話を書きましたが、この本は自分史を書きたいと思っている人の手本になる本ですね。こんなふうに自分と家族、近所の人たち、友人、教師との関わりで、自分を育ててくれたものを書いていくといい自分史になります。
どんな苦労も強く明るくはねのけてしまうおばあちゃんの生き方は、ごちゃごちゃしていた自分の頭の中をきれいな水でザーッと流してくれたような爽快感を与えてくれました。目がすっきりと目覚め、やる気が湧いてきますね。
近所の人たちや先生のさりげないやさしさは、あ、そういえばちょっと前まで日本人にはこういう美しさがあったんだ。そしてそれは日本全国いたるところにあったんだ、ということを思い出させてくれました。
著者が序文で「今、みんなはとてつもない勘違いをしているんじゃないだろうか」という問いかけには、私自身ドキッとしました。たくさん勘違いしていましたね、たしかに。仕事のこと、家族のこと、将来のこと、いろんなことを勘違いしていると思います。考え直すいいきっかけを与えてもらいました。
(評者: 上ノ山明彦)
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