第3章 後継者育成

このページのコンテンツには、Adobe Flash Player の最新バージョンが必要です。

Adobe Flash Player を取得

★上のアイコンをクリックすると、別ウインドウが開きます。再生するソフトウェアを選択すると動画が再生されます。
 下記にテープ起こし原稿を掲載します。話の中で省略された言葉を多少補足してあります。

4.後継者育成の課題点

Q 先生に教えていただけるのであれば、本来はお金を払ってでも教えていただくべきところです。

ある京都の方が言うんです。弟子を入れたら、まず500万円授業料を出せ。5年間一生懸命勉強したら、出て行くときはそれを返すよ。そういう制度にしないとだめだ、という方もいらっしゃるけどね。
後継者育成ということは、昔は有田でも工業高校を出て図案科、窯業科という二つのコースがあったんですけど、絵付けの人は絵付けに3,4年間もっぱら修行して、軍歴に1年いて、それから現役に帰ってきてから復帰する。そういう制度があった。窯業科の人はロクロとか製作面で修行していく制度があったんですね。
でも現代は、給与を与えながら、教えはしても、4,5年経ってある程度のことができるようになったら、師の心を忘れて自分一人旅立つ人がおうおうにして多い。それじゃあ何のために給与を与えながら仕込んで、これからうちのために後継になってくれるだろうと思っていたら出て行く。それじゃあもう絶対こういう制度はできない。そういう環境がおうおうにして多いんですね。
だから公的機関で、研究機関をつくってやろうかということになるんだけど、有田にも窯業大学という専門機関があるんですけど、そこを出たら、「おれは大学を出た」という意識で企業の中に入ってきても、技術は8の技術しかないのに、給与は10欲しいという。
でも、専門大学出なくても、職場で弟子として5年間ひたすら励んだら、技術は深く追求できても、窯業一般の知識は浅い。そこにハンディが出てくる。
学校教育はいいけども、どこまで学校教育がいいのか。