浅利氏は家庭の事情があり、中学卒業後、東京で下宿しながら高校へ通う。アルバイトで自活しながら高校を卒業し、中央大学へ進学。ここで様々なアルバイトを経験する。中でも東京都が運営する衛生局でトイレ汲み取りの仕事に長期間従事した話がおもしろい。そこでの経験は、後年著書としてまとめられ、現在集英社文庫『はばかりながら』に収められている。
当時、雑誌『女性自身』が変わったアルバイトをしている学生を取材していた。その対象者として浅利氏が挙げられる。それが縁で、光文社に就職し、雑誌記者となる。そこからは雑誌記者として活躍する一方、有名作家の助手としても活躍。そして、川上宗勲の弟子となる。
そういう生活を続けながらも、やがて転機を迎える。懸賞「オール読物推理小説新人賞」に応募し、それがみごと新人賞を受賞。そこから作家としての道を歩み始める。 小説を執筆する傍ら、実母の介護のため郷里の秋田県仙北市に帰郷する。献身的に介護をしながら、介護の研究も開始する。実際的な介護論を展開し、世間の注目を浴び、講演活動も行うようになる。
同時に、街おこしのためにちまきづくりに取り組み、全国で販売。また、定期的に「ちまき教室」 を開催している。
このように多彩な顔を持つ浅利佳一郎氏である。その話も広い視野と豊富な経験に裏打ちされていて深みがある。ここに収録した動画は、ちまきづくりに関連した話でまとめてみた。浅利氏の人柄に触れていただきたい。