上ノ山明彦

池田雅之著  『ラフカディオ・ハーンの日本』

 

 日本に憧れ、日本に来て日本人女性と結婚し、家庭を持ち、日本に絶望 し、日本を愛し、日本に帰化し、小泉八雲と名乗り、日本に骨を埋めた男、 ラフカディオ・ハーンの半生をまとめた本である。
 著者は翻訳家であり早稲田大学教授でもある。
 著者はまえがきで「このささやかな本が読者にハーンと共にいるという 感覚を感じてもらえたらと願っている」とあるように、ハーンが日本で何 を見、何を感じたのか、克明に追っている。
 ハーンの書いた作品がこのような生活の中で書かれたことを思うとき、 嬉しくもあり悲しくもあり切なくもある複雑な感情に見舞われる。
 あらためて日本人はハーンという作家が日本に来て才能を開花してくれた ことを誇りに思うべきであると思う。

★詳細はここで
ラフカディオ・ハーンの日本 (角川選書)