現在発行されていない本です。古本で入手してください。著名人45人の貧乏体験談です。日本の経済事情が非常によくない時代です。著名人たちが貧乏とどう付き合い、追い払っていったかを知るのは、参考になると思います。できれば、深刻にならずに、ふき飛ばすことができれば一番いいと思います。
司馬遼太郎がこういうことを言っています。貧乏というものが人間を大きくするという例は、よほどの大人物の例があるだけで、大半は人間の心を萎縮させてしまうだけである、と。私も同感です。貧乏はできればしないほうがいいと思います。
しかしながら、本人の希望とは関係なく、貧乏神が向こうから歩み寄って住み着いてしまうことがあります。そういうときはどうしたらよいでしょうか。やる気をなくし、焦り、よけい落ち込んでしまうものです。他人の生き方を参考にして、時代の移り変わりを知り、やがてよくなる時に期待し、自分のやり方で前向きに生きていくことに尽きると思います。本書は暗い時代に読んでほしい1冊です。
(評者: 上ノ山明彦)